- 熱砂イベをなぜ面白く感じなかったのか?
- 熱砂の国の設定を説明していることが多い割にストーリーにその設定を落とし込めていなかった
- 話の進め方がワンパターンで話がだれていた
- 「解決すべき問題が最初に設定されていない」
- ジャミルの解像度が上がったように見えて下がってるような…
- イベントストーリーの最後の台詞
- おわりに
熱砂イベをなぜ面白く感じなかったのか?
今回はツイステのイベント「熱砂の国のアリアーブ・ナーリヤ」が個人的になぜ面白くなかったのか考えてまとめました。
熱砂の国の設定を説明していることが多い割にストーリーにその設定を落とし込めていなかった
「イベントストーリー全体的にみて熱砂の国の設定の「説明」が多すぎる。」
というのもイベントストーリーが退屈だったポイントではありますが、何よりその設定をジャミルに話させたのにも関わらず
- 「かなり時間と文字数を使って説明する割にあまりイベントストーリーには関係がない」
- 「全部口から説明させることでしか表現できていない」
と感じることが多かったです。
- 運河の説明→グリムが落ちる(特に落ちた意味はなし)
- 車の説明→車に乗る(これは車で移動するための動線)
といった風に次のキャラ達の動きに繋がる設定もあり、それらは話の展開上必要があるためアリだと思うんですが、それ以外の場面ひたすらジャミルが熱砂の国の設定を話し続けるという構図になっていました。
とにかく「ずっと国の説明しているな;」という印象が強かったです。
宝物庫の設定をジャミルが話していましたが「セキュリティ的にそれ話していいのか?」とかいう内容もあったりで、
- 「設定!考えた設定やオマージュした設定を話の都合も整合性も関係なく、とにかくこのイベントで全て喋らせるんだ!」
という強い意志を感じました。
これから展開されるイベントストーリーに繋げるために設定を説明しているわけではなく、設定をガンガンとにかくぶち込めという印象が強かったです。
「それなら熱砂の国出身者であるカリムやジャミルの過去の掘り下げをもっとする方がこちら側的には楽しめるんだけどな~」という風に思いました。
話の進め方がワンパターンで話がだれていた
これは言葉通りの意味で
- ジャミルが熱砂の国の設定を話す
- 周りが「驚く」等の反応を行う
- ちょっと過去の話をする
- 移動する
- また説明をする
- 周りが何かしらまた反応する
というくだりが何回も繰り返しあったので、話がかなりワンパターンだなと思いました。話が全体的にだれていました。
その繰り返しの後にUSBが盗まれてというひと悶着はありましたが、話の展開の仕方のせいで緊迫感がまるでなく、ストーリーとしての盛り上がりに欠けたのも話が面白くなかったポイントの一つかなと思います。
没入感を阻害するリアリティのない話の展開や設定
- 魔法が存在する世界で魔法で花火をやらないのかとか
- 国際問題って言う割に護衛つけないのかとか
- スリが多い国なら大事なUSBのスペアくらい用意しておけとか
- 行ったことがない国のダンスを何で皆キレッキレで踊れるの?とか
というようにツッコミどころ満載でそういったリアリティに欠けている点も話への没入感を阻害していました。
ツイステのストーリーではありがちですが、このアリアーブ・ナーリヤでは特にそういう点が目立ちました。
「国際問題になる」という台詞がキャラ達から出ていましたが、そういう割に次期王のマレウスが護衛なしで観光に来ている点であったりリアリティがなさすぎます。
これでリリアが実はついてきていたという話なら納得するのですが、このイベントストーリーではそういう描写もなく本当に護衛を連れてきていないことが伺えます。
- 「ツイステはどうせイベントを復刻した時にシナリオ改変するからその余白じゃない?」
- 「復刻の時にリリアやシルバー、セベクの誰かがついてきていた・同行するってなるでしょ?」
という風に考える人がいるかもしれませんが
このイベントが復刻を前提に作られていたとしても、1つのイベントとして配信しているのならば、まとまりのある話になっていなければいけないと思います。
「解決すべき問題が最初に設定されていない」
今まで(※ハロウィーン以外)のイベントストーリーと違って「解決すべき問題が最初に設定されていない」ことがイベントストーリーの着地点が分からずフラフラしていて面白くない原因かな思いました。これは絶対面白くなるぞという「目的」がないんですよね。
USBが盗まれたから取り返すというくだりはありましたが、こちらはイベント自体の目的ではありません。
- ビーンズデーでは勝利すること
- フェアリーガラでは王冠を奪取すること
- ゴーストマリッジではイデア(他)を救出すること
- バルガスCAMPでは廃部を免れる・褒賞を獲得すること
- スケアリーモンスターズではハロウィーンを成功させる・楽しむこと(?)
各キャラによって目的が違うかもしれませんが、大体こんな感じだったと思います。
スケアリーモンスターズも目的がハロウィーンを成功させるであったり楽しむことだったため、こちらも目的がフワフワしているイベントで個人的には面白くなかったです。※マジカメモンスターが出現してそれをどうにかするというのは途中から出てきた問題であり、イベント自体の目的とは異なります。
熱砂の国のイベントも目的が「花火を見る」「観光」「絹の街を楽しもう」とあらすじで掲示されていた時点でちょっと嫌な予感はしていましたがその通りで、目的がなくイベントストーリーもフラフラして話的にまとまりがなく面白くなかったのではないかなと思いました。
ジャミルの解像度が上がったように見えて下がってるような…
4章のジャミルのオーバーブロットの件や、過去の回想や独白、パーソナルストーリーで作り上げてきたジャミル像が熱砂の国のイベントのせいで説得力を無くすとはちょっと思ってませんでした。
今回のイベントへてジャミル関係で分かったことが
- メロンを万引きした(子どもの頃悪さをしていた。余罪不明)
- 昔からカリムの尻ぬぐいをしてきた
- 故郷に友達はいた
- 妹からなんだかんだ愛されている
といったことです。
4章で言っていた「俺も、家族も……なにもかも、どうにでもなれ!!」の台詞に「それくらい追い詰められてたんだよ」と、ある程度の重さは付与されたと思ったら、昔から悪さをしていたり、友達とストレス発散したりしている話がボロボロ出てきて「ん?」という感じですね。
加えて両親がジャミルに割と厳しめなことを言っていた点について、過去の悪ガキ設定(メロン万引き・放火)を付与したせいで「そりゃ両親もこう躾けるしかないよな…」という風にもとれてしまいます。(放火はハロウィーンで虫が出てまたやろうとしてしまってる子ですし、両親的には厳しく教育せざるをえないよなと…)
4章までの話だとユーザーはカリムの従者だから悪さもストレス発散も一切できず、実力があるのに1番になることも許されず、17年間ずっと抑圧されてきたジャミルの設定だけを知っていて、そりゃどっかーん!しても仕方がないか…という風になっていたのですが、今回のイベントで上記のような設定が出てきたので「なんだか説得力が半減した」というのが正直な話です。(それでも抑圧されてることには変わりないですけどね)
このイベントで家族の仲がいい話をされてもまたまた説得力に欠ける
説得力が半減した時に思い出されるのが「俺も、家族も……なにもかも、どうにでもなれ!!」という台詞です。
追い詰められてヤケクソになっているということは分かってはいますが、兄妹の仲の良さをこのイベントで話されたりしてもここでもまた説得力に欠けるという二段構えになっています。
作者がジャミルを一体どうしたいのかが私は最近分かりません…。
番外:盗みの設定は必要だった?
正直メロンを万引きしたエピソードは実写アラジンのジャファーの設定をオマージュしたかったんだろうなというのは分かるのですが、何でも無理矢理オマージュのために設定を詰め込めばいいというものではないでしょうという印象しかないです。
- ユーザーの倫理観的な感じ方の問題
- ジャミルの好感度に関わる(ファンが減る→売上に関わる)
- 過去の台詞の説得力が下がる
といった問題が出てくるんですよね。ファンをわざわざ減らすような設定をぶち込むというのは5章のルークの一件で学習済みの運営のはずですがここでもまたやらかすのかと…。実際ファンが減っているのかと言われると正確な数字では明記出来ないため何とも言えませんが、女性向けゲームで女性が嫌がりそうな設定をねじ込むのはそろそろ辞めた方がいいと思います。
今回のジャミルの場合はどちらかというとオマージュをしたくて仕方ないという作者の気持ちが見えてます。
オマージュしたいという気持ちを否定する気はありませんが、それを上手いことシナリオに落とし込めないのであればその設定はただの異物でしかありません。
話としても中途半端でまとまりがなかったため、とりあえずは世界観・キャラクター監修役をする人とシナリオライターにちゃんとした人を据えるべきだと感じました。
イベントストーリーの最後の台詞
「?????」
そんな心境の変化があるようなことがイベントストーリーに含まれてましたっけ?
ついさっきまで来年の花火大会にカリムが皆を誘っているのを見て「はぁ!?」とか「冗談じゃない!」と言っていた人とは思えない台詞なんですよね。
「あれ?私、何話か飛ばした?」と思うくらい急でした。
「オマージュばっかり意識して書いてたらシナリオにオチつけれなかった!」
⇓
「もういい!適当にそれっぽいいい感じの台詞言わせて終わらせとこ!」
って感じの終わりじゃありません?
オチがない・弱いというのが一番正しい表現
オチがない・弱いというのが一番正しい表現なのかなと思いました。
現実世界の会話でオチがないことに私は何も感じませんし言いませんが、ゲームとして、イベントシナリオとしてこれを配信するなら流石にちょっとオチをつけるべきだと思います。(ギャグでも、そうでないものでも可)
なんだか、すーーーっとフェードアウトしていくようなストーリーの終わりで、見直さないと「最後どうなって終わったっけ?」となるシナリオなんですよね。
印象に残るのが、ジャミルひたすらガイドしてたな~くらいなんですよね。
パソスト込みだと万引きがぶっちぎりで印象に残りました。
でもそれっていい印象になってますか?(ジャミルにとっても、ファンにとっても)
おわりに
今回はイベント「熱砂の国のアリアーブ・ナーリヤ」が何故面白くなかったのかについてでした。
- ちゃんとしたシナリオライター雇ってキャラ設定を全員でちゃんと共有して同じ1人のキャラクターということを頭に入れてシナリオ書いてほしい
- それが出来ないならこれまでの面白かったイベストのように「目的」を設定し、定番で面白い話を展開してほしい
というのが個人的な意見です。
パラレルという形でイベントを開催している(時系列的な問題で)ことが多い現在ですが、それはある意味キャラクター達はイベントストーリーで一切成長しないということでもあります。(成長がメインストーリーに反映されないという意味でです。)
成長しないということはシナリオで一番やりやすい、キャラクターが成長するという目的のシナリオ、つまり無難なストーリーをイベントストーリーでは展開できないということです。(シナリオってキャラが成長してればとりあえず進捗があったからOKみたいなところありますし)
それが出来ないとなると、話の整合性が取れて独自性のある面白い話が書けるシナリオライターを用意するか、これまで通りの問題を解決する形でシナリオを展開するといった方法が必要になってきます。
これまでの面白かったイベントと同様に何かイベントストーリー内で皆が解決しないといけない問題を解決するというストーリー構成にするというのが正直一番現実的です。
個人的に面白くないと感じた
- 「スケアリーモンスターズ」
- 「熱砂の国のアリアーブ・ナーリヤ」
どちらも「楽しむ」というような漠然的な目的が設定されており、着地点が見えず今回のイベント最後のジャミルの台詞に繋がったりして余計に「ん?結局なんだったの?」という終わりになっていることが問題です。
これらの問題が改善されて、あるか分からないですが次の国紹介イベントが開催されるといいなと思います。